緊張した日に。「内関」を押してみる

毎日のセルフケア

緊張して、なんだか落ち着かない。
そんなとき、少し手を止めて、自分の手首に触れてみませんか。

今回の「お役立ちツボ」は、内関(ないかん/PC6・P6)です。東洋医学では胸のつかえや吐き気などに使われ、緊張したときのセルフケアとしても紹介されます。

ただし、不安を治すスイッチではありません。呼吸をしながら、ひと息つくきっかけにしてみましょう。

父が見せてくれた、ツボ押しバンド

小学生のころ、父がどこかで買ってきた「ツボ押しバンド」を見せてくれました。手首につけ、小さな突起で内関付近を押す商品です。

記憶では、説明書に「地球を一周するようなヨットレーサーでも船酔いし、こうしたバンドを使っている」といった話がありました。

小学生だった私は、『世界を航海するような人でも船酔いするんだ』という部分の方が妙に印象に残っています。笑

あくまで子どものころの記憶で、実際にどれくらい使われていたかは分かりません。

場所は手首から指3本分、やさしく押す

手のひらを上にして、手首のしわから指3本分ほど肘側、2本の腱の間あたりを探します。指3本は、人差し指・中指・薬指をそろえた幅です。左右にあります。

反対の手の親指の腹で、ゆっくり押して離す。自然に呼吸しながら、心地よい程度で十分です。「痛気持ちいい」を超えて、痛みを我慢しないでください。

強さの競争ではありません。笑

傷や腫れがある場所は避け、痛み・しびれが出たら中止。市販のバンドは説明書どおりに使い、締めすぎないように。自分で鍼を刺すことは勧めません。

乗り物酔いと、妊娠中の吐き気は分けて考える

実はこのツボ、研究もされています。ただ、吐き気なら何でも同じ結果、ではありません。

乗り物酔い対策として知られるバンドですが、米CDCは、実験ではプラセボを上回る効果が示されていないとしています。「これさえあれば船旅も安心」とは言えないんですね。

一方、妊娠中の吐き気・嘔吐では、内関などへの指圧を調べたメタ解析で、症状を和らげる可能性が示されています。ただし研究の質や結果にばらつきがあり、確実な効果とは言い切れません。英国NHSも、手首への指圧を役立つ可能性のある方法として紹介しています。

万能ではないけれど、知っておく選択肢に

妊娠中、薬を使うことに不安を感じる方もいると思います。医療者に相談しながら、指圧を選択肢の一つとして知っておくのは悪くないと思います。

妊娠中でも、医師の判断で使える吐き気止めはあります。
食事や水分が取れない、尿が少ない、体重が減る、嘔吐が強いときは、我慢せず産婦人科や助産師へ相談してください。

緊張した日に、手首に触れてひと息つく。旅先では、効果に限界があることも覚えておく。

足三里の記事と同じく、身体をいたわる小さなきっかけに。

毎日に、ちょっと東洋医学。

参考にした資料

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