雨の日は身体が重だるい。頭が重い。天気が崩れる前になると、古傷や関節が気になる。
そんな変化を感じる人がいます。晴れた日と同じように過ごしているつもりなのに、なんとなく調子が上がらないんですね。
「気のせい」で片づける前に、天気と身体の関係を少し見てみませんか。今回は東洋医学の「湿(しつ)」という言葉を入口に考えます。
「湿」は、流れない水のイメージから
私が湿を考えるとき、イメージしやすいのが「流れない水はよどむ」という言葉です。
川も、流れが滞る場所では水がよどむことがあります。水があるかどうかだけでなく、どう動いているかも大切、というたとえです。
以前の「津液」の記事では、身体を潤し、働きを支える水分について紹介しました。
続く「むくみ=水のとりすぎ?」の記事では、水分を摂り、巡らせ、使い、外へ出すバランスを考えました。今回は、そこからもう一歩です。
東洋医学では、湿を重だるさや停滞感などと関連づけて考えます。ただし、身体に「汚れた水」が実際にたまっている、という意味ではありません。川の話は、伝統的な身体観をイメージするための比喩です。
湿気の多い環境から受ける影響を「外湿」、身体の水分を運び、処理する働きがうまくいかず生じると考えるものを「内湿」と呼ぶことがあります。「水湿」「水滞」も水分の停滞に関わる言葉ですが、全部まったく同じ意味ではありません。今日は名前の暗記までは大丈夫です。
雨の湿気と、気圧の変化は別の話
私は、雨の前や気圧が変わる時期の不調も、ほかの身体の様子と合わせ、湿の考え方から捉えることがあります。これは東洋医学的な解釈です。
雨の湿気、空気の圧力である気圧、体内の水分の停滞は、それぞれ別の概念。「低気圧=湿が増える」「古傷が痛む=湿がたまった証拠」とは言えません。
現代医学でも、気圧の変化と片頭痛との関連は研究されています。関連を示す報告がある一方、結果にはばらつきがあり、すべての人の頭痛や関節痛を天候だけで説明できるわけではありません。
傾向を見たい方には、気圧予報アプリ「頭痛ーる」を知っておくのもよいと思います。気圧の変化をグラフで見たり、痛みや服薬などを記録したりできます。
天気と体調を一緒に残すと、何か見えてくるかもしれません。ただし、原因を診断するものでも、予報で発症や予防を保証するものでもありません。睡眠や仕事量も一緒に見てみたいですね。
私は、雨の日によく眠れる人です。笑
ちなみに私は、雨や気圧の変化で頭痛がしたり、大きく体調を崩したりすることはあまりありません。その辺は比較的鈍感な方だと感じています。
でも、雨の日はなんとなく外に出たくない。そして不思議と、よく眠れます。笑
これは私の感覚で、眠くなる原因が湿だと決めているわけではありません。
ちょっと想像すると、太古の祖先も、激しい雨の日には雨風をしのげる場所で、次の晴れ間を待ったことがあったのかな、と思います。
雨の日に活動を控え、ゆっくりしたくなるのも、どこか自然なのかもしれない。もちろん、祖先の行動や遺伝で証明された話ではありません。そんな景色を想像してみると面白い、というひとりごとです。
雨の日の身体も、観察してみよう
重だるい日は、無理のない範囲で軽く動く。休息が必要なら休む。睡眠や食事のリズムは、大きく崩さない。その日の調子に合わせて選べばよいと思います。
「湿を抜こう」と大量に汗をかいたり、むくむからと水分を極端に控えたりする必要はありません。
また、強い頭痛や悪化する痛みは医療機関へ。突然の激しい頭痛、麻痺やしびれ、話しにくさなどを伴う頭痛は、天候のせいにせず119番など救急対応を。
雨の日の不調を全部「湿」で説明する必要も、調子が上がらない自分を責める必要もありません。
頭が痛くなる人も、眠くなる人も、何も変わらない人もいる。
天気と身体の関係も、人それぞれ。自分にはどんな変化があるのか、少し知っておく。それも身体との付き合い方を考えるヒントになると思います。
毎日に、ちょっと東洋医学。


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