「今日は、なんとなく疲れたな」
そんな日に、自分の身体に少し手を向けてみる。
今回は、初めての「お役立ちツボ」のお話です。
覚えて帰ってほしいのは、一つだけ。**足三里(あしさんり)**というツボです。
昔からよく知られ、胃腸の不調や疲れなど、伝統的に幅広い目的で使われてきました。ただし、「押せば疲れが取れる」「病気が治る」と約束するものではありません。
私にとって、学生時代の「最初のツボ」
足三里は、私にとってとても思い出のあるツボです。
鍼灸学校の実技練習で、何度も使いました。
初めて自分自身に鍼を刺したのも、初めてクラスメートに鍼を刺す対人練習をしたのも、足三里。
実技試験で先生に鍼を刺したときも、足三里でした。
お灸の練習でも、何度もお世話になりました。
私の足三里には、学生時代に練習したお灸の跡が今でも残っています。笑
とはいえ、これは学校での練習のお話。自宅で鍼を刺すことは勧めません。お灸にも火傷のリスクがあるので、今回は指でやさしく押す方法にしましょう。
場所は、膝の少し下。強さはほどほどに
椅子に座って膝を軽く曲げ、膝のお皿のすぐ下、外側にあるくぼみを探します。
そこから、自分の指4本分ほど下、すねの骨の少し外側が目安です。指4本は、人差し指から小指までをそろえた幅。左右の脚にあります。
見つけたあたりを、指の腹でゆっくり押して、ゆっくり離す。
まずは数回、痛くない、心地よい程度で十分です。
「効かせよう」と、ぐいぐい頑張らなくて大丈夫。ツボ押しまで根性勝負にしなくてもいいんです。笑
傷や腫れのあるところは避け、痛みやしびれが出たらやめてください。
芭蕉の旅にも登場する「三里」
足三里は「健脚のツボ」としてもよく紹介されます。松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭付近には、旅支度のくだりで「三里に灸すゆる」という記述があります。長い道のりを歩く旅と三里へのお灸が結びつく、よく知られたエピソードの一つです。
今日は、身体をいたわるきっかけに
もちろん、ツボ一つですべて解決するわけではありません。
寝不足なら、まず眠ること。疲れがたまっているなら、予定を少し減らすこと。
以前の「疲れている日に『何かする』より、休んだ方がいいこともある」でも、そんな話をしました。
痛みや不調が強いとき、長引くときは、ツボ押しだけで済ませず医療機関に相談してください。
足三里をやさしく押す時間を、今日の身体を気にかける小さなきっかけに。
それくらいの付き合い方からで、いいと思います。
毎日に、ちょっと東洋医学。


コメント