漫画やアニメで、瀕死の重傷を負ったキャラクターに、仲間が「無理してでも少し食べろ」と声をかける場面がありますよね。
しかも、その仲間がかつての敵だったりすると胸熱です。笑
身体を回復させるためには、エネルギーや栄養が必要。そこには、うなずけるところがあります。
ただ、現実の「食欲がない日」にも、そのまま当てはめていいのでしょうか。今日は東洋医学の見方も交えて考えてみます。
回復に栄養は必要。でも、気合いで完食?
病気やケガから回復するとき、身体の修復にはエネルギーやたんぱく質などが必要です。
でも、栄養が必要なことと、普段と同じ量を無理やり食べることは、同じではありません。
一時的に食欲が落ちているなら、いつもの一人前を必ず食べ切らなければ、とは限らないんです。
一方で、病中・病後やケガの回復期、高齢の方、体重が減っている方では、栄養不足に気をつける必要があります。
食べられない状態が続くなら、医師や管理栄養士などに相談し、必要な栄養をどう補うか考えましょう。「食べたくなるまで待つ」で済ませない方がよい場合もあります。
東洋医学では、食欲を胃だけの話にしない
東洋医学で食欲を考えるときに出てくるのが、「脾胃(ひい)」という言葉です。
ざっくり言えば、食べたものを受け取り、身体に必要なものへ変えていく働きを考える言葉。
ただし、東洋医学の「脾」は、現代医学の脾臓と同じではありません。
東洋医学では、身体の働きを臓器単体で切り離さず、互いに関係するものとして捉えます。だから「食欲がない=胃腸だけが悪い」とは決めません。
眠れているか。疲れが強くないか。気分やストレス、身体の冷え、便通、病後の状態はどうか。
「なんとなく疲れる」の記事でも書いたように、一つの症状の周りにも、身体を見るヒントがあります。
「脾って何?」を掘ると長くなるので、その話はまた別の記事で。今日は名前だけ、顔合わせくらいで大丈夫です。笑
食べられる量や形に、少し調整してみる
強い症状がなく、一時的に食欲が落ちているときは、一度に食べる量を減らし、回数を分ける方法があります。
お粥や、やわらかく煮たうどん、スープなど、消化しやすく、自分が食べやすいものを少量から試してみる。水分も、飲める範囲でこまめにとる。
ただし、誰にでも同じものが合うわけではありません。温度やにおいで食べやすさが変わることもあります。
食欲不振が続く場合、お粥や汁物だけでは栄養が足りなくなることも。食事や水分に医療上の指示がある方は、それに合わせて調整してください。
以前の「身体にいいこと、やりすぎてませんか?」と同じで、健康のための食事が、毎回の根性試しにならなくてもいいと思います。
「無理に食べない」と「放っておく」は別
食欲低下には、感染症や消化器の病気、薬の影響、気分の落ち込み、がんなど、さまざまな原因があります。
「身体が求めていないんだから、食べなくていい」とは言い切れません。
数日以上ほとんど食べられない、急に体重が減る、強いだるさがある場合は、医療機関へ相談してください。 病中・病後や高齢の方などは、数日を待たず早めの相談を。
水分もとれない、嘔吐が続く場合も速やかに受診を。強い腹痛や血便・黒くタール状の便がある場合は、救急受診を含め、すぐに医療機関につながってください。
「なぜ今日は食べたくない?」と見てみる
昨日、食べすぎたのか。睡眠不足なのか。疲れやストレスが続いているのか。冷えを感じるのか。病気の回復途中なのか。
私は、「食欲がない」という反応そのものも、今の身体を知るための情報だと思っています。
ただ、その反応だけで原因も、必要な栄養量も決められません。
無理して食べるか、何も食べないか。その二択にする前に、いつから、どれくらい食べられず、ほかに何が変わったかを見てみる。
必要なら医療者の力も借りながら、今日の身体に合う食べ方を探す。そんな付き合い方でいいんじゃないでしょうか。
毎日に、ちょっと東洋医学。


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