「朝は平気なのに、夕方になると脚がパンパン」
靴や靴下がきつい。仕事中は着圧ストッキングを使っている。そんな話を聞くことがあり、むくみに悩む人は多いと感じています。
そこで気になるのが、「水を飲みすぎたのかな?」ということ。
でも、むくみは、飲んだ水の量だけでは説明できません。
前回の「津液」の記事では、水分は多ければいいわけでも、少なければいいわけでもない、とお話ししました。今回は、その続きです。
水分は「入れる」だけで終わらない
むくみは、身体の組織に余分な水分がたまった状態です。
ただ、身体は飲んだ水をそのままためるタンクではありません。「今日の分、ここに全部保管します」では困りますよね。笑
水分を摂る。身体の中で巡らせ、必要な場所で使う。そして、尿や汗などとして外へ出す。その一連のバランスがあります。
私は、身体が熱をつくったり逃がしたりして体温を調節するように、水分にも「入れること」と「外へ出すこと」の調整がある、と考えるとイメージしやすいと思っています。
もちろん、これはバランスを考えるためのたとえ。東洋医学の津液と、現代医学の体液調節が同じ仕組みだという意味ではありません。
ふくらはぎは、血液の帰り道を手伝う
現代医学では、脚の静脈の血液が心臓へ戻るとき、ふくらはぎの筋肉の動きが助けになると分かっています。いわゆる「筋ポンプ」です。
座りっぱなし、立ちっぱなしで脚をあまり動かさないと、この働きを十分に使えず、脚に水分がたまりやすくなることがあります。
そのため、長時間同じ姿勢で過ごしたあとの軽いむくみなら、少し歩く、座って足首をゆっくり上下に動かすなどで楽になる人もいます。
いきなり筋トレ大会を始めなくても大丈夫。まずは、同じ姿勢を続けていないか見直すところからです。
ただし、急な腫れや痛みがあるときは、運動で解決しようとせず受診を優先してください。
むくみには、静脈やリンパの問題、心臓・腎臓・肝臓の病気、薬の影響などもあります。月経周期や妊娠、立ち仕事やデスクワークなど、関わる条件もさまざま。「女性だから」「筋ポンプが弱いから」と一つで決められないんですね。
東洋医学では「うまく巡っている?」も見る
津液は、身体を潤し、働きを支える水分を考える東洋医学の言葉でした。
東洋医学では、足りているかだけでなく、必要なところへ巡っているか、不要なものを外へ出せているかにも目を向けます。
水分が停滞したような状態を「水湿(すいしつ)」などと表すこともありますが、今日は名前を覚えなくて大丈夫です。
「飲みすぎた」という量の話だけでなく、「うまく巡らせたり、処理したりできていないのかもしれない」と考えることもある、ということです。
ただし、むくみ=水湿、と決めるわけではありません。
冷えの記事と同じで、どこに、いつ現れるのか。食欲や便通、尿の様子、普段の過ごし方はどうか。ほかの情報も合わせて見ます。
これは伝統的な身体の捉え方で、筋ポンプや腎臓の働きを別の言葉に置き換えた説明ではありません。
では、水を減らせばいい?
むくむと、飲む量を減らしたくなる気持ちは分かります。
でも、自己判断で極端に水分を減らすことは勧めません。 対応は原因によって違いますし、必要な水分まで控えると脱水につながるおそれがあります。医師から水分量の指示がある方は、その指示に従ってください。
逆に、「巡らせるために大量に飲もう」でもありません。
見たいのは、入れる量だけでなく、身体がどう巡らせ、どう外へ出しているか。
朝と夕方で違うか、両脚か片脚か、長く座った日か。そんな観察も、相談するときの手がかりになります。
いつものむくみ、と決めつけないで
急に片脚だけ強く腫れた、赤み・熱感・強い痛みがある場合は、速やかに医療機関へ。全身のむくみが強い、長く続く、悪化している場合も相談してください。
息苦しさや胸の痛みを伴うときは、救急要請を含め、すぐに医療機関につながってください。
むくみを全部セルフケアで済ませず、必要な確認はする。そのうえで、飲んだ量だけに目を向けず、身体の様子を少し広く見てみる。
「むくみ=水のとりすぎ」とは限らない。
今日は、それを一つ覚えてもらえれば十分です。
毎日に、ちょっと東洋医学。


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