気が足りないってどういうこと?「気虚」をやさしく考える

東洋医学を知る

前の記事で、東洋医学の「気」についてお話ししました。

気が巡る。
気が滞る。
気が不足する。

今回はその中でも、

「気が不足している」

と考えるときに使われる言葉、

気虚(ききょ)

について考えてみます。

文字だけ見ると、急に難しくなりましたね。笑

「気虚=疲れている」ではない

気虚をものすごく簡単に言えば、

身体を動かしたり、働かせたりする力が不足しているような状態

を考えるときに使う言葉です。

例えば、

疲れやすい。
少し動いただけでぐったりする。
声に力がない。
食欲が落ちている。

こういったことが、身体を見るヒントになる場合があります。

でも、

「疲れた=気虚!」

というほど単純ではありません。

仕事で徹夜した翌日に疲れているのは、ある意味当たり前です。笑

東洋医学では、その人の生活、食事、睡眠、顔色、声、脈など、いろいろな情報を合わせながら身体を見ていきます。

スマホのバッテリーみたいなもの?

私は気虚を考えるとき、スマホのバッテリーをイメージすると分かりやすいことがあります。

朝100%だったバッテリーも、

仕事をする。
動く。
考える。
食べ物を消化する。

そんなことをしているうちに少しずつ減っていきます。

通常なら、食事や睡眠によってまた充電されます。

ところが、

睡眠不足。
食事が少ない。
働きすぎ。

そんな日が続けば、使った分に対して充電が追いつかないこともある。

もちろん、人間はスマホではありません。笑

でも、

使った分だけ休む。
使った分だけ補う。

という考え方は、身体にも大事なんじゃないかなと思っています。

充電しすぎにもご用心

ところで、最近のスマホのバッテリーって優秀ですよね。

必要以上に充電し続けないよう設定できたりして、それが結果的にバッテリーの寿命を長持ちさせることにもつながるそうです。

では、人間も、

「疲れたら、とにかく長く寝ればいい」

のでしょうか。

月曜から金曜まできっちり仕事をして、

「土曜日は目覚ましをかけず、昼まで寝てやる!」

そんな方も少なくないと思います。

気持ちはものすごく分かります。笑

でも東洋医学には、

「久臥傷気(きゅうがしょうき)」

という考え方があります。

簡単に言えば、

長く横になりすぎることも、気を損なうことがある

ということです。

たくさん寝たはずなのに、なんだか身体がだるい。

寝すぎた日に頭が重い。

そんな経験がある人もいると思います。

だから私は、

「休めば休むほど身体に良い」

とも限らないと思っています。

足りなければ補う。

でも、多ければ多いほど良いわけでもない。

その人にとっての“ちょうどいい”を探す。

私はこういうとき、

「今の休み方は、この身体に合っているかな?」

という視点でも身体を見るようにしています。

足すことだけが養生ではない

健康というと、

何を食べる?

何を飲む?

どんな運動をする?

と、ついつい「何かを追加する」方向へ考えがちです。

健康食品を買う。

サプリメントを飲む。

運動を始める。

新しい健康法を試す。

もちろん、それが必要なこともあります。

でも身体が疲れているなら、

早く寝る。
予定を一つ減らす。
今日は運動を軽くする。

そんな「減らすこと」も立派な養生です。

逆に、休みすぎて身体が重いなら、

少し外に出る。

日に当たる。

軽く歩いてみる。

そんな方が気持ちいいこともあります。

「何が身体に良い?」より「今の身体には何が必要?」

東洋医学を勉強していて面白いと思うのは、

「これをやれば全員健康!」

という考え方ではないところです。

同じ人でも、

元気な日と疲れている日では必要なものが違います。

季節が変われば身体も変わる。

仕事が忙しければ変わる。

睡眠が足りなければ変わる。

だから、

「身体に良いことは何だろう?」

だけではなく、

「今の自分の身体には何が必要なんだろう?」

と考えてみる。

それだけでも、身体との付き合い方は少し変わるんじゃないかなと思っています。

東洋医学が、

そんなふうに自分の身体を見るきっかけの一つになれば嬉しいです。

毎日に、ちょっと東洋医学。

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